都筑教会会報「つづきのいのち」2012年3月31日号から:

港北ニュータウン伝道

田園都筑教会会報委員 林 茂博

*下線を引いた言葉をクリックすると写真や週報などをご覧いただけます。

 2011年度は、東日本大震災・原発事故という未曾有の出来事に、社会は大揺れに揺れた一年でした。私たちの教会は、その大きな影響を受けながらも、神様の導きとお支えによって、節目の年度を締めくくり、「教会の自立」に向って一歩前進すべき2012年度を迎えようとしています。

 宗教法人の認可を受け、土地・建物が田園江田教会から譲渡されて田園都筑教会の基本財産となって初めて法律的な「自立」が達成されるのですが、これが「教会の自立」の全てではありません。「教会の自立と前進」は、1970年7月田園江田伝道所開設3年目の全体修養会のテーマでした。

 「夢を語る」というタイトルのこの写真では不鮮明ですが、北は小田急線、南は東横線、東は南武線、西は横浜線に囲まれたエリアを伝道圏と捉え、その中核に位置するのが○で囲まれた港北ニュータウンです。この時から、港北ニュータウン伝道は始まっていたと言っても過言ではありません。

 時間を早送りして、2000年12月。様々な曲折を経て、都筑区大丸の店舗併用住宅の2階2室を借りることが出来、「港北ニュータウン集会」の開設準備が始まりました。現在の市営地下鉄グリーンライン「ふれあいの丘」駅近くですが、当時はバスの便しかありませんでした。21世紀の幕開け最初の主日2001年1月7日に集会は始まりました。

  これが週報第1号で、現在もこの日からの連続番号で週報は発行されています。ちなみに、2012年3月25日は586号です。第1回の礼拝に新来会者として始めて記録にあるのは、後藤暉子さんのパートナー後藤 潤さんです。次週予告には、司式:河崎純子さん、奏楽:井村道子さんとあり、2番目の新来会者は、河崎保也さんでした。

 報告には、「* この集会の案内を、9名の方が5000世帯に配布してくださいました。ご奉仕を感謝します。」とあります。本当にみなさんよく歩いてくださいました。教会員一人一人が自立して歩むことが、教会の自立には欠かせないことを学びました。

 港北ニュータウン集会は、毎週日曜日の11時から礼拝をまもりましたので、実に多くの教職の先生方に説教のご奉仕をしていただきました。その中心が第1回礼拝から今日までご出席いただいている、新屋徳治牧師、新屋順子牧師でいらっしゃいます。教会の自立と前進を促し、力を与えるのものは、神様のみ言葉、説教です。この面で、今日に至るまで港北ニュータウン伝道は、誠に恵まれていることに感謝したいと思います。

 先生方のお働きについては、後日機会がありましたら詳しく述べさせていただくことにして、ここでは「週報」の変遷について記したいと思います。

 最初のころは、トラクトの要素も週報に持たせようと、B5版の市販プログラム用紙を使用していましたが、すぐに紙面が不足で報告事項などが掲載できなくなり、現在のA4横二つ折りの体裁に変更となりました。そこで登場したのが、四季によって彩色が変わるスケッチ画です。これは秋バージョンで、街路樹が色づいた風景ですが、春夏秋冬それぞれに趣のあるスケッチを北濃郁子さんが描いてくださいました。集会室にある胡蝶蘭の絵も北濃郁子さんの作品で、当時高校の美術の先生をなさっていました。機会があれば、原画の展示をしてみたいと思います。

 2001年12月、港北ニュータウン集会として初めてのクリスマス礼拝の写真です。20名の方が写っていますが、この中には神様の御許に召された方もおられ、現在は7名が田園都筑教会の定例出席メンバーです。2001年12月までの1年間で、新来会者は44名と記録されています。いつも夕礼拝に出席されている林 茂樹さん信子さんも12月29日の新来会者でした。

 2002年1月5日に荻野文佳さん、1月26日に清水哲・佳代・綾乃さん一家が新来会者となり、今日の顔ぶれが揃ってきました。そうなると必然的に専任の牧師と自前の礼拝堂を求める機運が高まってきました。

 2002年度になりますと、物件の調査が始まり、牧師の招聘も公の検討課題となりました。港北ニュータウンの不動産物件の情報は、高橋照子さんが沢山の物件を探してくださいました。北山田から川和まで物件を見て回りましたが、長老会に推薦できるものは見つかりませんでした。2003年2月に現在地が紹介されましたが、3月末までに契約という条件のため、日程が折り合わず購入を断念いたしました。

 ところが4月になって、再度交渉の機会が与えられ、6月に契約することができました。神様のなさる業は、本当に人知を超えるものだと思い知らされたできごとでした。改築の業者選定、設計、施工、大丸の解約、引っ越しとめまぐるしく夏が過ぎ、9月からは、現在地で改築工事中の建物で礼拝を守り、12月に献堂式が執り行われ、喜びにあふれたクリスマスを祝って2003年は暮れました。

 2004年3月22日に相賀牧師がドイツから帰国され、田園都筑伝道所開設・担任教師就任式が行われてから以降のことは、多くの方がご存知です。2001年1月から2004年3月までの、田園江田教会港北ニュータウン集会は、開拓伝道の先駆けとして、今日の私たちにバトンを引き継ぎ、その役割を終えたかに見えますが、本当の幕引きは田園都筑教会が宗教法人格を取得して「自立」する時ではないでしょうか。私たちに先立って道を備えてくださる主を信じ、港北ニュータウン伝道のミッションを担い、「新たな自立と前進」を見据えて2012年度を迎えたいものです。
以上